個人的に、これまで食べたラーメンの中で一番美味いと感じているラーメンが食べられる「甘味かどや」(伊勢さん)。
足立区在住の方で西新井大師に参拝したことがある方であれば、西新井大師参道に見事な昭和っぷりの御姿を残すレトロ食堂があるのをご存知でしょう。すでに、「足立区いいねっ!」で私自身が紹介したこともあるし、多くの方がその雰囲気とメニューの美味しさに感嘆の声をあげ、思わずSNSで紹介したくなる衝動に駆られているようです。
西新井大師で昭和にタイムスリップ
まず、外観からして、潔い巨大な「かどや」の文字が刻まれた威風堂々たる看板が目を引きます。さらに、暖簾をくぐれば、打ちっぱなしのコンクリート床にザ・食堂ならではの茶色テーブルと赤い椅子、さらに手書きのメニューがずらりと並ぶさまは、まさに昭和にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほどで、もはや映画のロケセット。
それもそのはず、創業は大正時代まで遡り、昭和30年あたりからその姿が変わっていないというのだから、まさに「昭和遺産」と呼ぶにふさわしい食堂です。
伊勢家としては、各シーズンに一度は訪問していて、三女・お月はここの焼きそばが大好物。私は、必ずラーメンかカレーラーメンを注文。この三者はいずれも絶品で、ぜひ、味わって頂きたいので、それぞれにレビューをしてみましょう。
おもちゃみたいな焼きそば(400円)
まず、「焼そば」(400円)。麺が駄菓子のような食べ心地で、おもちゃの焼そばを食べているような気持ちにさせられます。
味は薄味で、カップ焼きそばやマルちゃんの焼きそば麺の付属ソースのように濃ゆくはないのが特徴的。なので、あまり食べたことのない焼きそばで、言い方は悪いけれども、いい意味でチープ感が出ていて、それが”おもちゃ”っぽさにつながっているような気がします。
ひと口ふた口とまずは薄めの焼きそばを楽しんでから、卓上にあるソースで追いソースをすると、味変も楽しめます。
ラーメン&カレーラーメンの絶品さよ
「ラーメン」(500円)自体は、これでもかというほどに透明なスープが甘美で、細めのちぢれ麺とのマッチングっぷりが凄まじい。
かつて、私の学生時代の恩師と、ひょんなことからこの店でお昼ごはんをすることになり、今も昔もグルメな舌をお持ちの恩師をして、「なんて美味しいラーメンなんだ」と言わしめたラーメンで、その美味しさは、「キングオブシンプルイズベスト」の称号を与えたくなるほどに、質素で控えめで絶品です。
そして、今回は、「カレーラーメン」(500円)を注文。これも私の推しメニューのひとつで、グツグツに煮込まれたカレースープが冷めることのない膜を形成し、いつまでも熱々のまま食べられるという恐るべきラーメンで、お味も、「カレー?ラーメン?合うの!?」と思いきや、びっくりするほどにこれまたマッチングしていてすこぶる美味。
はじめて食べた日の感動はいまだに忘れられず、来店すると、まず、ラーメンにするか、カレーラーメンにするかでひとしきり迷ってしまいます。とにかく、未食の方はぜひ一度ご賞味頂きたい足立区のソウルフードです。
ご馳走様でした!
お越しの際は西新井大師でお参りを
ちなみに、この日は、西新井大師で風鈴祭りが開かれていて、お月とチュンと父の3人で訪問。平日の午前中の境内にはほとんど人がおらずシンっと静まり返っていて、そのなかで響き渡る風鈴の音色が心地良かったです。
お月、渾身の見返りショットは「東京カレンダー」の表紙みたい!(笑)
【甘味かどや】
住所→ 東京都足立区西新井1-7-12
出演:お月、チュン
写真・原稿:伊勢さん
足立区を歩く。とは?
ほしかぜプレメンバーのひとり「お月」と、ほしかぜ映像担当の「伊勢さん」のふたりで、「足立区いいねっ!」なるFacebookのグループにて投稿していた「父と娘で足立区を歩く。」を、ほしかぜホームページリニューアルにあたり、不定期連載開始。今後は、お月と伊勢さんだけでなく、ほかのほしかぜメンバーにも投稿してもらう予定です。