毎年、名誉宮司が詠まれた短歌を直筆で頂ける御朱印が、全国の御朱印愛好家たちの間で人気を集めている、足立区西部一帯十七神社の総本社「江北氷川神社」。
ほしかぜの「異世界ア・ラ・モード」のMVにも登場する、足立区の守り神を参拝してきました。
数百種類の山野草に囲まれて
主祭神は須佐之男命、創建年代は不詳とされますが、沼田村の鎮守社であり、明治初年には村社に列格、明治時代の江北村成立に際しては江北村の総鎮守社であったといわれます。
神社のすぐ裏手には昔の荒川堤があり、明治大正時代には「江北の五色桜堤」と称された桜の景勝地でした。
その名残が香る境内には、五色桜の末裔や、足立区の保存樹とされている銀杏の大木が生え、宮司が自ら増やしていった数百種類に及ぶ山野草が茂っているのも特徴のひとつです。
だからこそ、四季をより身近に感じることができるため、シーズン通じて何度も参拝に訪れる人たちが多いのでしょう。
「神様ってどこにいるの?」から生まれた風車
一本に伸びる境内の脇には、お稲荷様が祀られ、大小様々なお稲荷様の石像が参拝者を迎えてくれます。
この道は、子どもにとっては、ちょっとした探検気分を味わえる空間で、何だか不思議な物語が生まれそうな雰囲気を醸しています。
本殿手前には、赤い布がしかれた腰掛けや小さな舞台があり、イロトリドリの風車がクルクルカラカラと揺れています。
名誉宮司の息子であり、神社のもろもろを取り仕切る八木氏曰く、「子どもたちから『神様ってどこにいるの?』と聞かれた際、『目には見えないけれどもすぐ近くにいるんだよ』ということを伝えたくて、風車を設置してみました。風が吹いてクルクルと回ることで、神様の存在を感じてもらえたら……」とのこと。
これぞ、神の社! と思えるステキなエピソードにほっこり。
直筆で頂ける短歌御朱印
ちなみに、江北氷川神社さんには、以前、「謎解き御朱印めぐり」(笠倉出版社)を制作した際にお世話になっていて、名誉宮司のインタビューをさせて頂き、手書きの御朱印と共に掲載しました。
御朱印は、名誉宮司が詠まれた短歌が見開きにわたって直書きされ、毎年2種類の御朱印を頒布しています。
今回訪れた際も急遽ではありますがお願いしてみたところ、快くご承諾いただき、お月と境内散策をしている間にお書き入れいただきました。
コロナ禍前から直書きの御朱印は激減していて、さらにコロナを経て書き置き御朱印のみに切り替えた神社が多いなか、神社や宮司の温かみを感じることができる数少ない社となっています。
とはいえ、名誉宮司が不在なこともあるので、御朱印授与希望の方は訪れる前に確認しておいたほうがよいでしょう。
「異世界ア・ラ・モード」MVの聖地でもある!
ちなみにちなみに、実は、ほしかぜの第3回本公演「異世界ア・ラ・モード」の主題歌MVのロケ地としてもご協力頂いています。
セイラが異世界へと引き込まれていくシーンや、境内の前でセイラとカズマがダンスを踊るシーンなどに登場!
素敵な映像に仕上がっているので、ぜひご視聴ください。
聖地巡礼的なお話をすると、決して交通の便はよいとは言えない立地にありますが、だからこそ、神域としての神社をより感じられる空間であり、足立区のパワースポットのひとつであることは間違いないでしょう。
お車でお越しの際は、「一方通行表示」などにお気をつけください。
江北氷川神社
住所→東京都足立区江北2-43-8
主祭神→須佐之男命
出演:お月、さとちゃん
写真・原稿:伊勢さん